ピエモンテージとビエロフラーヴェク/BBC交響楽団によるシューマンとドヴォルザークのピアノ協奏曲の感想



シューマン ピアノ協奏曲&ドヴォルザーク ピアノ協奏曲
 ピエモンテージ(pf) ビエロフラーヴェク/BBC交響楽団
 Naive 2012年ライヴ V5327
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フランチェスコ・ピエモンテージのピアノ・ソロとイエジ・ビエロフラーヴェク指揮BBC交響楽団の伴奏によるシューマンとドヴォルザークのピアノ協奏曲。仏Naive。シューマンが2012年12月ロンドン、バービカン・センターでのライヴ録音でドヴォルザークが2012年11月ロンドン、BBCスタジオでのセッション録音。

ブレンデルゆずりとされるピエモンテージの稠密なピアニズムは2曲ともに健在である。決して肩を怒らせない優美なシューマン。ややオフマイクで上品な音質。ドヴォルザークの方はシューマンより音の輪郭がくっきりしている。こちらは構成感が強いが、やや迫力不足なのが惜しい。

バックハウスの1960年BBC放送におけるベートーヴェンのライヴの感想


ベートーヴェン ピアノ・ソナタ「告別」・「月光」・第32番
&モーツァルト ピアノ・ソナタ第10番・第12番
 バックハウス(pf)
 Testament 1960・61年ライヴ SBT1487
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ヴィルヘルム・バックハウスのピアノ演奏によるベートーヴェンのピアノ・ソナタ第26番「告別」・第14番「月光」・第32番。英テスタメント。1960年イギリスBBCの放送ライヴ。カップリングとしてモーツァルトのピアノ・ソナタ第10番と第12番も収録されており、こちらは1961年のBBCリサイタルでのライヴ録音とされる。

モーツァルト2曲と「告別」は音質の彫りが浅くバックハウスの無骨なピアニズムの醍醐味が感度よく伝わらない。月光と32番は音質がワンランクいい。モノラルながら音に実在感がありバックハウスの剛健なタッチの特性に聴いていて惹きこまれる。

スザンナ・マルッキ/ユンゲ・ドイチェ・フィルによるヒンデミットの交響曲「画家マチス」の感想


ヒンデミット 交響曲「画家マチス」ほか
 スザンナ・マルッキ/ユンゲ・ドイチェ・フィル
 Ensemble-Modern 2009年ライヴ EMCD010
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スザンナ・マルッキ指揮ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるヒンデミットの交響曲「画家マチス」。2009年デュッセルドルフ、トーンハレでのライヴ録音。ほかに当日演奏されたエンノ・ポッペの「Markt(市場)」(2009年作曲・初演)とベルント・アロイス・ツィンマーマンのトランペット協奏曲「Nobady knows de trouble I see」(これは1954年に作曲され翌年エルネスト・ブール指揮北ドイツ放送響により初演されている)が収録されている。トランペットはマルコ・ブラオウ。

アンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督スザンナ・マルッキがアンサンブル・モデルンの母体とされるユンゲ・ドイチェ・フィルを指揮している。現代畑に強いオケを現代音楽のエキスパートが振っているだけに、全体的に音響的メリハリが強く、パンチが効いている。ポッペの「マーケット」はちょこまかとした細かい音を整然と鳴らしているのが面白い。画家マチスは対位的メリハリが強くフレージングもシャープに刈り込み、現代音楽然としている。ツィンマーマンはトランペットソロの奇怪な音色が印象的である。

スヴェトラーノフとベルリン・フィルの一期一会コンサートにおけるチャイコフスキーのマンフレッド交響曲の感想



チャイコフスキー マンフレッド交響曲ほか
 スヴェトラーノフ/ベルリン・フィル
 Testament 1989年ライヴ SBT21481
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エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるチャイコフスキーのマンフレッド交響曲。英テスタメント。1989年3月ベルリン、フィルハーモニーでのコンサートのライヴ録音。ほかに当日のコンサートで演奏されたベートーヴェンのレオノーレ第3番、およびハイドン交響曲第100番「軍隊」も収録されている。

スヴェトラーノフとベルリン・フィルの顔合わせは本コンサートが最初で最後だったらしい。3曲ともスヴェトラーノフ特有の重心の低い濃厚なアンサンブル展開とベルリン・フィルの絢爛たる音響美が絶妙にマッチしていて惚れ惚れする。マンフレッド交響曲はメガトン級の名演である。終楽章の表出力が振り切れている。

マルティノン/フランス国立放送管弦楽団によるベルクの「ルル」組曲&マーラー交響曲第3番の感想


マーラー 交響曲第3番
&ベルク 「ルル」組曲
 マルティノン/フランス国立放送管弦楽団
 Cascavelle 1971・73年ライヴ VEL3160
VEL3160

ジャン・マルティノン指揮フランス国立放送管弦楽団の演奏によるベルクの「ルル」組曲とマーラーの交響曲第3番。スイスCascavelle。ベルクが1971年11月、マーラーが同73年10月、いずれもライヴ録音。マーラーの独唱者はメゾ・ソプラノがヒルデガード・ルトガース、ソプラノがマリー・リンゼイ。

マーラーの3番はマルティノンらしく色彩のメリハリが鮮やかであり、ことにトランペットは一貫して味が濃い。クライマックスの起伏力などがいまいちだが、アンサンブルのウェットな響きの肌ざわりに惹かれる。 「ルル」組曲も同様だが、続けて聴くと、この曲かなりマーラー入っているなと感じる。それにしてもマーラーは第1楽章が終って盛大な拍手があり、何事かと思ってしまう。

ミンコフスキ/レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルによるベルリオーズの交響曲「イタリアのハロルド」の感想


ベルリオーズ 交響曲「イタリアのハロルド」
 ミンコフスキ/レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル
 Naive 2011年 V5266
V5266

マルク・ミンコフスキ指揮レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル(ルーヴル宮音楽隊)によるベルリオーズの交響曲「イタリアのハロルド」。ヴィオラ奏者アントワーヌ・タムスティ。Naive。2011年4月パリ、ヴェルサイユ宮オペラ・ロワイヤルでの録音。併録として同じ作曲家の歌曲集「夏の夜」、および「ファウストの劫罰」第3幕より「テューレの王のバラード」が含まれている。いずれもアンネ=ゾフィー・フォン・オッターの独唱。

ピリオド・オケによるハロルドの録音は既にガーディナー/ORRが出ているが、このミンコフスキの録音の方が圧倒的に秀逸である。 弦楽器の多彩なニュアンスや管楽器の夢想的な音色には耳を奪われるばかりで、初めて聴く曲かと思うくらい新鮮。「夏の夜」も素晴らしい。オッターの歌唱が最美で、これは今まで聴いた「夏の夜」の録音中ベスト。

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