アルミンク/新日フィルによるマーラーの「嘆きの歌」の感想


マーラー 嘆きの歌
 アルミンク/新日フィル
 フォンテック 2012年ライヴ FOCD6035
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クリスティアン・アルミンク指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏によるマーラーの「嘆きの歌」。フォンテック。2012年5月東京すみだトリフォニーホールでのライヴ録音。歌唱陣は天羽明惠(ソプラノ)、アネリー・ペーボ(メゾ・ソプラノ)、望月哲也(テノール)、イシュトヴァーン・コヴァーチ(バス)。

1880年初稿に基づく演奏であり、最終稿でカットされた「森のメルヘン」が冒頭に置かれた形となっている。全体で約60分のうち「森のメルヘン」が27分ほどを占めているのだが、部分的には惹かれるシーンもあるが、正直やはり冗長な感じが否めない。演奏は、、、そつなく造りこまれたマーラーだが、同時リリースのブーレーズ/ウィーン・フィルのCDが絶品だっただけに、どうしても聴き劣りがしてしまう。稀少な初稿演奏盤ではあるのだが、、、。

ジンマン/チューリヒ・トーンハレ管弦楽団によるブラームス交響曲全集の感想


ブラームス 交響曲全集
 ジンマン/チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
 RCA 2010年ライヴ 88697933492
88697933492

デイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団の演奏によるブラームス交響曲全集。2010年4月チューリヒ、トーンハレでのライヴ録音。

ブラームスゆかりのオーケストラ、トーンハレ管のブラ全。ジンマン/トーンハレ初のライヴ録りらしい。フォルムは理知的、響きは中量級、細部まで神経の行き届いたアンサンブル展開、内声部の実在感の強さ、とくに低声部の入念な浮き出しぶりが冴える。16型フル編成のオケを使いながら、実に室内楽的に精緻なブラームスである。内声・低声のアクティビティの強いアンサンブルはフォルテでも透過性の高いハーモニーをコンスタントに供給する。問題は迫力面が全体的に伸び切らず、凄味という意味での表出力が弱いこと。ブラ2は来日公演で聴いたが、実演だともっと響きに表出力が漲るのだが、、、。

カヴァコスによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集の感想


ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全集
 カヴァコス(pf)、パーチェ(pf)
 デッカ 2011・2012年 4783523
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レオニダス・カヴァコスのヴァイオリンとエンリコ・パーチェのピアノによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集。英デッカ。2011・2012年ギリシャ、アテネでのセッション録音。

・第1番、第2番、第3番、第5番「春」
 カヴァコスのソロが、まあ雄弁なこと。個々の音を流さずに、メリハリを強調し、それでいて細部まで丁寧に弾き切っている。基本的にピアノが弱いので、どの曲もヴァイオリンの独壇場となっている。特にソナタ第1番の第2楽章と「春」終楽章が素晴らしい。

・4番、第8番、第9番「クロイツェル」
 ソナタ第4番、第1楽章の表出力がただごとでない。カヴァコスのボウイングの痛切な訴えかけに惹きこまれるばかり。ソナタ第8番はやや深刻ぶり過ぎという風でもないが、強メリハリ型の姿勢の一貫性は見事。第2楽章の味の濃さ!クロイツェルでもカヴァコスのソロは相変わらず快刀乱麻の切れ味で壮絶な演奏を展開。ピアノが弱いのが残念。

・第6番、第7番、第10番
 カヴァコスのソロは相変わらず冴えている。第6番は深刻味が勝ち過ぎるが、第7番は圧巻である。第10番も悪くないが、いささか起伏をつけ過ぎる。この曲はもうちょっと飄々と演奏した方がいい気がする。

ガンバ/アイスランド交響楽団によるダンディのセヴェンヌ交響曲の感想


ダンディ フランスの山人の歌による交響曲(セヴェンヌ交響曲)
 ガンバ/アイスランド交響楽団、ロルティ(pf)
 Chandos 2012年 CHAN10760
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ラモン・ガンバ指揮アイスランド交響楽団の演奏(ピアノ・パート:ルイ・ロルティ)によるダンディのフランスの山人の歌による交響曲(セヴェンヌ交響曲)。英シャンドス。2012年アイスランド、レイキャビクでのセッション録音。ほかにダンディの歌劇「フェルヴォル」第1幕への前奏曲、交響的伝説「サルビアの花」および管弦楽組曲「メデー」が併録されている。

セヴェンヌ交響曲におけるロルティのピアノが最高に美しい。第1楽章の第1テーマをピアノが大きく奏でるあたりの幻想的な美しさは筆舌に尽くし難い。ガンバ/アイスランド響の美演も素晴らしい。

フォーグラーによるバッハの無伴奏チェロ組曲(全曲)の感想


J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲(全曲)
 フォーグラー(vn)
 ソニー・クラシカル 2012年 88697892572
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ヤン・フォーグラーによるバッハの無伴奏チェロ組曲(全曲)。ソニー・クラシカル。2012年12月ニューヨーク、パーチェス大学でのセッション録音。

ドイツ人チェリストによるバッハ無伴奏チェロ全曲録音は久しぶりである。元ドレスデン・シュターツカペレの首席チェロ奏者による全曲盤としてはペーター・ブルンスの録音以来のリリース。全体的に速めのテンポで快調に進められ、リズム感がいい。響きには適度な重みが乗っており潤沢な音の広がりを感じさせる。細部はかなり個性的で、シャキシャキした快適なフレージングのわりにアーティキュレーションが千変万化するのも面白い。

ユリア・フィッシャーとジンマン/チューリヒトーンハレ管によるブルッフとドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲の感想


ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番
&ドヴォルザーク ヴァイオリン協奏曲
 ユリア・フィッシャー(vn)ジンマン/チューリヒ・トーンハレ管
 Decca 2012年 4783544
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ユリア・フィッシャーのヴァイオリンとデイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団の伴奏によるブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番およびドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲。英デッカ。2012年4月チューリヒ、トーンハレでのセッション録音。

ドヴォルザークだが、スタイリッシュで清冽なヴァイオリニズムだが全体的にボウイングの線が細く、いささか味が薄い。ジンマン/トーンハレの響きも透明感と軽量感が同居する。悪くはないが、もう少し表出力が欲しいところ。しかし後半のブルッフは打って変った名演。ソロ・オケともに表出力抜群で聴きほれるばかり。何故こんなに差が出るのか?

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