ザンデルリング/スウェーデン放送交響楽団によるショスタコーヴィチ交響曲第8番の感想

ショスタコーヴィチ 交響曲第8番
 ザンデルリング/スウェーデン放送交響楽団
 ヴァイトブリック 1994年ライヴ SSS01352
SSS01352

クルト・ザンデルリング指揮スウェーデン放送交響楽団の演奏によるショスタコーヴィチの交響曲第8番。独ヴァイトブリック。1994年ストックホルム、ベルワルドホールでのライヴ録音。

ザンデルリングのショスタコーヴィチ8番といえばベルリン交響楽団を指揮したドイツ・シャルプラッテンの録音が思い出される。スロー・テンポ(特に第3楽章がすさまじい)に基づく重厚な演奏様式が独特だったが、今回リリースのスウェーデン放送響とのライヴでは、それよりも更に演奏タイムが長くなっている。感想だが、第2楽章以外が平凡で、全体的にザンデルリングのショスタコーヴィチとしては冴えに乏しい。第1楽章の山場など、ここという時に管の抜けが悪いし、遅めのテンポだけに、もっさりした感じに聞こえてしまう。しかし第2楽章のみどういうわけかオケが鳴り切っていて、壮絶な迫力が出ている。ライヴゆえのムラというべきか。

ユロフスキ/ロンドン・フィルによるショスタコーヴィチ交響曲第6番・第14番「死者の歌」の感想


ショスタコーヴィチ 交響曲第6番・第14番「死者の歌」
 ユロフスキ/ロンドン・フィル
 Lpo 2013年・2006年
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ヴラディーミル・ユロフスキ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるショスタコーヴィチ交響曲第6番・第14番「死者の歌」。ロンドン・フィル自主制作レーベル。タチアナ・モノガロワ(ソプラノ)、セルゲイ・レイフェルクス(バリトン)。2013年・2006年ロンドンでのライヴ録音。

2曲とも素晴らしいが、とくに6番はユロフスキ/ロンドン・フィル会心のショスタコーヴィッチというべきだろう。弦楽器の重厚な迫力、管楽器の音色の鮮烈さ、トッティでのカタストロフの壮絶さ、いずれも絶品だが、それをオンマイクのくっきりとした良好な音質が感度良く伝えている。14番の方が音質が6番より少し粗いが、演奏自体の表出力はひけをとらない。ソプラノのモノガロワが高音で苦しそうな局面もあるが、全体的にはハイレベルな演奏に仕上げられている。

アルゲリッチとバレンボイムによるモーツァルト、シューベルト、ストラヴィンスキーの2台ピアノ作品集の感想

モーツァルト 2台のピアノのためのソナタK.448
&シューベルト 創作主題による8つの変奏曲D.813
&ストラヴィンスキー 春の祭典(2台ピアノ版)
 アルゲリッチ(pf)、バレンボイム(pf)
 グラモフォン 2014年ライヴ 4793922
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マルタ・アルゲリッチとダニエル・バレンボイムのピアノ演奏によるモーツァルト、シューベルト、ストラヴィンスキーの2台ピアノ作品集。2014年ベルリン、フィルハーモニーでのライヴ録音。

まず音質がいい。近接マイクによる音の臨場感が抜群であり、二人の名手のデュオの醍醐味を感度良く伝達している。演奏にも充実感がある。モーツァルトとシューベルトでは高音のタッチの煌びやかな音彩が実に際立っていて惹きこまれるし、ストラヴィンスキーでは一転パワフルな打鍵の凄味を全面に押し出したピアニズムの変わり身に脱帽。不満を言うならテンポ面での緩急の振幅が大人しくクライマックスでの急迫感に抑制がかかる点。さすがにピアノデュオ・ユニットのような息のあった連弾とまでは到らずという印象。

ドゥネーヴ/シュトゥットガルト放送交響楽団によるラヴェル管弦楽作品集第2弾の感想


ラヴェル 管弦楽作品集
 ドゥネーヴ/シュトゥットガルト放送交響楽団
 Hanssler 2013年・2014年 93325
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ステファヌ・ドゥネーヴ指揮SWRシュトゥットガルト放送交響楽団の演奏によるラヴェル管弦楽作品集。独ヘンスラー。2013年・2014年シュトゥットガルト等でのセッション録音。
①亡き王女のためのパヴァーヌ
②バレエ音楽『マ・メール・ロワ』全曲
③海原の小舟
④『シェエラザード』序曲
⑤古風なメヌエット
⑥『ジャンヌの扇』~ファンファーレ

前回リリースの第1集に続くドゥネーヴ/シュトゥットガルトのラヴェル作品集第2弾。今回の演奏でも精巧なガラス細工のようなラヴェルを披歴している。ただ今回は収録場所が3カ所になっている関係から音質傾向に少し差違あり。①は少しオフ気味でモヤッとした感じだが、②以降はオン気味のマイクでパリッとした音質となっており、とくに④のシェエラザードはこのコンビの真価ともいうべき名演となっている。

アンデルシェフスキによるバッハのイギリス組曲集の感想


J.S.バッハ イギリス組曲第1番・第3番・第5番
 アンデルシェフスキ(pf)
 Warner 2014年 2564621939
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ピョートル・アンデルシェフスキのピアノ演奏によるバッハのイギリス組曲第1番・第3番・第5番。ワーナー・クラシックス。2014年ワルシャワでのセッション録音。

アンデルシェフスキのバッハは以前リリースの「カーネギー・ホール・ライヴ」にパルティータ第2番が入っていたが、そこではスタカート奏法をベースに力感をセーブして多彩なニュアンスを表現していたが、そのアプローチがこのイギリス組曲集では更に洗練されている感がある。バッハのクラヴィーア曲をモダン・ピアノで弾く場合はオリジナルの古雅なニュアンスに現代のピアノのパワフルな表現力をどうミックスさせるかが難しいが、このアンデルシェフスキのバッハはその理想的解答のひとつというべきか。

トリオ・ワンダラーによるフォーレとピエルネのピアノ三重奏曲の感想

フォーレ ピアノ三重奏曲&ピエルネ ピアノ三重奏曲
 トリオ・ワンダラー
 ハルモニア・ムンディ 2014年 HMC902192
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トリオ・ワンダラーによるフォーレとピエルネのピアノ三重奏曲。仏ハルモニア・ムンディ。2014年ベルリン、テルデックス・スタジオでのセッション録音。

前回リリースのチャイコフスキー&アレンスキーも秀逸だったトリオ・ワンダラーだが今回はホーム・グラウンドともいうべきフランス系のアルバムだけに持ち前の音響美に更に磨きがかかっている。ラ・フォル・ジュルネでの実演を彷彿とさせる名演と感じる。ガブリエル・ピエルネのピアノ三重奏曲は録音が少ないがフランク風の重厚なハーモニーとむせ返るように濃密なメロディの流れが魅力であり、対照的にフォーレのピアノ三重奏曲の方は淡くメランコリックな楽想による高貴なロマンティズムが持ち味である。

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