クリーゲル&ピエモンテージによるカミロ・シューマンのチェロ・ソナタ集


カミロ・シューマン チェロ・ソナタ第1番・第2番
 クリーゲル(vc)、ピエモンテージ(pf)
 Naxos 2009年 8572314
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マリア・クリーゲルのチェロとフランチェスコ・ピエモンテージのピアノによるカミロ・シューマンのチェロ・ソナタ集。2009年スイス、チューリヒでのセッション録音。収録曲はチェロ・ソナタ第1番・第2番および小協奏曲Op.20の計3曲。

先日の都響定期の際にロビーで売られていたCD。ロベルト・シューマンにチェロ・ソナタってあったかしらんと思いつつ、よくよく見ると「カミロ」シューマン。

正直まったく知らない作曲家だが当夜のコンサートにおけるピエモンテージの稠密なピアニズムに敬意を表し入手した。ライナーノートによるとカミロ・シューマンは20世紀前半に活動したドイツの作曲家(1872年ザクセン生まれ)。その作風は前衛というよりは後期ロマン派の色合いが強く、ことに1932年作曲のチェロ・ソナタ第2番にはブラームスの影響が顕著とのこと。

フォーグラーによるバッハの無伴奏チェロ組曲(全曲)


J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲(全曲)
 フォーグラー(vn)
 ソニー・クラシカル 2012年 88697892572
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ヤン・フォーグラーによるバッハの無伴奏チェロ組曲(全曲)。ソニー・クラシカルの新譜。2012年12月ニューヨーク、パーチェス大学でのセッション録音。

ドイツ人チェリストによるバッハ無伴奏チェロ全曲録音は久しぶりだが、元ドレスデン・シュターツカペレの首席チェロ奏者による全曲盤という観点ではペーター・ブルンスの録音以来のリリース。開放弦を多用するというフォーグラーのスタイルはバッハに合うか?

ザンデルリング/スウェーデン放送交響楽団によるベートーヴェンの2番とシューマンの4番


シューマン 交響曲第4番
&ベートーヴェン 交響曲第2番
 ザンデルリング/スウェーデン放送交響楽団
 Weitblick 1990年・97年ライヴ SSS0143
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クルト・ザンデルリング指揮スウェーデン放送交響楽団の演奏によるベートーヴェン交響曲第2番およびシューマン交響曲第4番。ヴァイトブリックの新譜。1990年(シューマン)と97年(ベートーヴェン)ストックホルム、ベルワルドホールでのライヴ録音。

このコンビのライヴ録音は昨年にシューベルト交響曲第9番「グレート」ブラームス交響曲第4番ショスタコーヴィチ交響曲第8番と立て続けにリリースされたが、いずれも素晴らしかったので今回の新譜も早速入手した。

ズッカーマンによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集


ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全集
 ズッカーマン(vn)、ナイクルグ(p)
 RCA 1990・91年 88765440142
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ピンカス・ズッカーマンのヴァイオリンとマーク・ナイクルグのピアノによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集。1990・91年ニューヨーク、マンハッタン・センターでのセッション録音。

先月リリースされたバジェットボックス。ズッカーマンのソニー時代の録音だが、未聴につき入手した。

イスラエル出身の名手ズッカーマンは最近こそ新譜のリリースが途絶えているものの演奏活動は現在も順調に続けており、一昨年の宮崎国際音楽祭においては原発事故の災厄を恐れて来日をキャンセルする演奏家が続出するなか、同音楽祭のために急きょ来日を決め、同地でリサイタルを行っている。

NHK交響楽団の定期演奏会(4/20 NHKホール)の感想


セミョーン・ビシュコフを客演指揮に迎え、演目はヴェルディ「レクイエム」。先週のラフマニノフはパッとしなかったN響だが今回のヴェルディは非常に良かった。

ビシュコフの指揮のもとでのオーケストラの響きは全体的に個々の音の刻みが深く、フレーズに揺るぎない定着感が備わっており、全体を通してアンサンブルが一分の隙なくがっちりと組み上がっているような構成感にも卓抜したものが感じられたし、ディエスイレやラクリモサ、リベラメなどでの最強奏においては、歯と歯ががっちり噛み合った時のN響というのは実に深々とした鳴動力を発揮するものだということを聴いていて再認識させられた。もともとポテンシャルが高いだけに指揮者が良い時のN響というのは本当に惹きこまれてしまうが、まさに今回がそうだった。

新国立劇場合唱団は昨年のN響定期で聴いたデュリュフレのレクイエムでも素晴らしい歌唱を披歴して惹きこまれたが、今回も持ち前の緻密さと透明感を備えた歌唱力を十分に披歴。4人の歌手は4者4様というべきか。テノールのディミトリ・ピタスは声量が豊かだが発声がブレ気味、バスのユーリ・ヴォロビエフは発声はブレないが声量が弱い。最も良かったのはソプラノのマリナ・ポプラフスカヤ。この人はメトの常連のヴェルディ・ソプラノとのことで、しっかりしたフォーム、豊かな声量、美声と3拍子揃っていた。

ヴェルディのレクイエムで正直そんなに感動するとは思っていなかったし、先週も先週だったので、あまり期待しないでホールに足を運んだのだが、結果的には大当たりのコンサートだった。N響の定期は毎回このレベルで聴ければと思う。

NHK交響楽団の定期演奏会(4/20 NHKホール)


4/20 NHKホール
NHK交響楽団 定期演奏会

指揮:セミョーン・ビシュコフ

演目:
 ヴェルディ レクイエム

ソプラノ:マリナ・ポプラフスカヤ
メゾ・ソプラノ:アニタ・ラチヴェリシュヴィリ
テノール:ディミトリ・ピタス
バス:ユーリ・ヴォロビエフ

座席位置:3階中央6列め

NHK交響楽団の定期演奏会(4/13 NHKホール)の感想


前半のショスタコーヴィチ・ヴァイオリン協奏曲第1番ではヴィクトリア・ムローヴァのヴァイオリンソロが恐ろしいほどの切れ味を披露し聴いていて感服の至りだった。

この曲は昨年のラ・フォル・ジュルネで聴いた庄司紗矢香のソロによる演奏が今でも耳に焼き付いているが、今回のムローヴァの弾き回しは庄司紗矢香のそれに勝るとも劣らないものであり、盤石のテクニックをベースに鋭利なボウイングから展開される峻烈なアーティキュレーションが、このショスタコーヴィチ特有の悲痛にして沈思的な音楽を実に雄弁に切々と奏でていき、モスクワに生まれモスクワ音楽院に学んだムローヴァの経歴を今さらながらに再認識させられるほどに堂に入ったショスタコーヴィチだった。惜しむらくはオーケストラの伴奏が凡庸で凄味を欠いていたことで、ソロが圧巻だっただけに非常に残念な思いだった。

後半はラフマニノフの交響曲第2番。指揮者のピーター・ウンジャンは東京カルテットの元ファースト・ヴァイオリン奏者で、指の故障を機に指揮者に転向し、トロント交響楽団の音楽監督を務めるなどキャリアを重ね、現在はロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の音楽監督の任にあるとのこと。

正直に言って演奏から受ける感銘の度合いは低かった。アンサンブルを適度に鳴らし、ほどほどに盛り上げ、そつなく終わる、そんな演奏で、速めのテンポでスイスイ進む、実にスムーズなアンサンブルの運びであり、アンサンブルの完成度も高かったが、いかんせん個々のメロディの引っ掛かりに乏しく、最強奏は凄味に乏しく、という按配。

カルテット奏者あがりの指揮者の経歴からすると、あるいは主旋律を徹底的に歌い抜くのかと思ったが、そうでもないし、はたまた異なる声部同士の緊密な連携が最重視されているのかとも思ったが、そうでもないしで、けっきょく最後まで指揮者のコンセプトがピンと来ず仕舞いだった。今回がN響との初共演らしく、今後の共演時にはもう少し指揮者のカラーが出た演奏が聴けるだろうか。

NHK交響楽団の定期演奏会(4/13 NHKホール)


4/13 NHKホール
NHK交響楽団 定期演奏会

指揮:ピーター・ウンジャン

ヴァイオリニスト:ヴィクトリア・ムローヴァ

演目:
 ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番
 ラフマニノフ 交響曲第2番

座席位置:3階R2列め

シュトゥットガルト放送交響楽団の来日公演(4/9 サントリーホール)の感想


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シュトゥットガルト放送交響楽団の来日公演をサントリーホールで。指揮者はステファヌ・ドゥネーヴ。ドイツの名門オケの公演にしては珍しいオール・フランス・プログラム。

まずベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」。この曲は昨年末にトゥールーズ・キャピトル管の来日公演で演奏されたのを聴いたが、あのときはフランス生粋のオケのゴージャスな音響美に素直に酔わされたが、今回のシュトゥットガルト響のベルリオーズはフランス風に洗練された優美なサウンドでありながらも、トゥールーズよりずっとストイックな音の佇まいを印象づけられ、このコンビの音楽造りの方向性が僅かながら垣間見られた。

続いてフランス生まれの名手エリック・ル・サージュをソロに迎えてのラヴェル・ピアノ協奏曲。ル・サージュのピアニズムは何より音の優美さが印象的で、近年実演で耳にしたピアニストの中でも個々の音のえもいわれぬ美しさという点においては一頭地を抜いていたように感じられた。強音でもデリケートなタッチでふわっとした感じのエレガントな音の色彩を醸し出し、聴いていて夢のような心地に誘われる思いだったし、アンコールのモーツァルトも最弱音の幻想的なタッチにも大いに惹かれた。

後半はラヴェルの「マ・メール・ロワ」とドビュッシーの「海」。いよいよドゥネーヴ/シュトゥットガルトの本領発揮といった感じで、要所要所でノリントン時代には希薄だった柔らかみを帯びたエレガントなフレージングを絶妙に織り交ぜつつ繊細な音の絵巻物を織りあげるようにアンサンブルをキメ細やかに紡ぎ、このコンビならではの豊かなファンタジーに満ちた演奏をホールに現出させ、聴いていて耳を奪われることしきりだったし、同じホールで2年前に耳にしたノリントン/シュトゥットガルトの実演の時よりも深く感動したほどだった。

ただ、例えば「海」における最強奏の大音量でも音の芯まで聴こえてくるような澄んだ響きの特性など、おそらくノリントン時代のピュアトーンの遺産なのだろう。これまでに蓄えてきたオケの希有の美質をドゥネーヴが活かしつつ独自の方向で音楽造りを推し進めているというべきか。今後このコンビには大いに注目したいと思う。

シュトゥットガルト放送交響楽団の来日公演(4/9 サントリーホール)


4/9 サントリーホール
シュトゥットガルト放送交響楽団 来日公演

指揮:ステファヌ・ドゥネーヴ

ピアノ:エリック・ル・サージュ

曲目:
  ベルリオーズ 序曲「ローマの謝肉祭」
  ラヴェル ピアノ協奏曲
  ラヴェル マ・メール・ロワ
  ドビュッシー 海

アンコール:
 モーツァルト ピアノ・ソナタK330第2楽章(ル・サージュ)
 ビゼー 「アルルの女」第2組曲からファランドール

座席位置:2階RA2列め

東京都交響楽団の定期演奏会(4/8 東京文化会館)の感想


東京都響の演奏会を東京文化会館で。英国出身のジェームズ・ジャッドを指揮者に迎え、イギリス作品をメインに据えたプログラム。

まずエルガーの序曲「コケイン」。快活な曲想の親しみ易い作品だが、ジャッドは羽目を外さず丁寧に都響のアンサンブルをコントロールし穏健ながらも堅実な演奏を展開。もう少し羽目を外して盛大に盛り上げてもと思わなくもなかったが、フレージングの節々に匂わせたノーブルなメロディの肌ざわりなど、この作品の性格の一端が巧妙に音化されている気がして好ましかった。

続いてフランチェスコ・ピエモンテージをソロに迎えてベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。ピエモンテージは1983年スイス生まれというから今年30歳のピアニストで、かのアルフレッド・ブレンデルに才能を見出され、これまで数々のコンクールに入賞しているとのこと。なるほど師であるブレンデルゆずりとも思える稠密なタッチで描き出された陰影の豊かなベートーヴェンに聴いていて惹きこまれたが、意識的に強いタッチを避けているような風でもあり、いささか迫力不足、表出力不足と思えてしまったし、正直ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番あるいは皇帝あたりだとちょっとどうかと思いもしたが、この曲に関してはピアニズムのベクトルが作品の性質と良く調和していて、その何ともいえない詩的な音楽の趣きに素直に魅了させられた。

後半はヴォーン=ウィリアムズの交響曲第4番。ここでのジャッドの指揮ぶりは素晴らしく、前半のエルガーでの穏健な姿勢から一転、冒頭の不協和音からオケを熾烈に鳴らして緊迫に満ちた音楽の情景をまざまざと描き出し、じめっとした抑圧感に包まれた第2楽章、名状しがたい重圧感と闘うような第3楽章、意気揚々とした終楽章の凱歌と、この交響曲のヴォーン=ウィリアムズにしては異色ともいうべき表情の振幅を間然とするところなく描き出していたと思われたし、このジャッドのアグレッシブな指揮に都響のアンサンブルも喰らい付いて迫真の演奏を展開し、聴いていて惚れぼれするばかりだった。

もう20年以上も前だがヴォーン=ウィリアムズの交響曲第4番はエイドリアン・ボールト指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団のCDで初めて聴いて、その強烈な楽想に打たれた。それゆえ個人的にはボールトの録音が今でもスタンダードとなっているが、当夜のジャッドの指揮には同じ英国の先達ボールトに似たような正統派のヴォーン=ウィリアムズ演奏としての表出力が随所に感じられた。あまり演奏されない曲だが、指揮者に人を得て充実した演奏を聴けて何よりだった。

東京都交響楽団の定期演奏会(4/8 東京文化会館)


4/8 東京文化会館
東京都交響楽団 定期演奏会

指揮:ジェームズ・ジャッド

ピアノ:フランチェスコ・ピエモンテージ

演目:
 エルガー 序曲「コケイン」
 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番
 ヴォーン=ウィリアムズ 交響曲第4番

アンコール:
 ヘンデル(ブラームス編曲) アンダンテ(ピエモンテージ)

座席位置:3階R側3列め

ハイフェッツとピアティゴルスキーのRCAへの室内楽録音全集


「ハイフェッツ&ピアティゴルスキー RCA室内楽録音全集」
 ハイフェッツ(vn) ピアティゴルスキー(vc)ほか
 RCA 1950~1968年 88725451452
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先月RCAからリリースされたCD21枚組のボックスセット。

ヤッシャ・ハイフェッツとグレゴール・ピアティゴルスキーが同レーベルに録音した全ての室内楽アルバムが集成されているとのこと。

N.ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団によるアッテルベリの管弦楽作品集


アッテルベリ 管弦楽作品集
 N.ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団
 Chandos 2012年 CHSA5116
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ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団の演奏によるアッテルベリの管弦楽作品集。英シャンドスの新譜。2012年5月・6月スウェーデン、エーテボリ・コンサートホールでのセッション録音。

収録曲は交響曲第6番「ドル交響曲」、ヴェルムランド狂詩曲、組曲第3番、交響曲第4番「小さな交響曲」の計4曲。

古くはBISの時代から北欧系の作品を中心に多くの優れた録音を出し続けてきたヤルヴィ/エーテボリのゴールデン・コンビが久しぶりに北欧の作曲家のアルバム、それもエーテボリ響のお膝元スウェーデン生まれのクット・アッテルベリの管弦楽作品集をリリースというので興味をそそられ入手した。

トリオ・パルナッススによるヴィドールのピアノ三重奏曲集


ヴィドール ピアノ三重奏曲集
 トリオ・パルナッスス
 MD+G 2012年 30317942
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トリオ・パルナッススの演奏によるヴィドールのピアノ三重奏曲集。独MD+Gの新譜。2012年マリエンミュンスター修道院でのセッション録音。収録曲はピアノ三重奏曲Op.19、アルザスの夕べOp.52、および1890年作曲の「4つのピアノ・トリオ」。

トリオ・パルナッススは前回リリースのショーソンとフォーレのピアノ三重奏曲集も良かったが今回も同じくフランスの作曲家シャルル=マリー・ヴィドールの室内楽作品のアルバムということで早速入手した。

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