ラトル/ベルリン・フィルによるビゼーの歌劇「カルメン」全曲


ビゼー 歌劇「カルメン」全曲
 ラトル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 EMIクラシックス 2012年ライヴ 4402852
4402852

サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるビゼーの歌劇「カルメン」全曲。EMIクラシックスの新譜。2012年4月ベルリン、フィルハーモニーでのライヴ録音。歌手はマグダレーナ・コジェナー(カルメン)、ヨナス・カウフマン(ドン・ホセ)、コスタス・スモリジナス(エスカミリオ)、ゲニア・キュマイアー(ミカエラ)。

ラトル/ベルリン・フィルによるオペラ全曲録音リリースとしては2009年のラヴェルの歌劇「子供と魔法」以来ひさしぶりだが、その前回のラヴェルが意外にも素晴らしかったので今回も入手した。

ここでドン・ホセを歌っているのはヨナス・カウフマンだが、それで思い出したが、昨年のボローニャ歌劇場の来日公演の「カルメン」でもカウフマンは当初ドン・ホセを歌う予定だったが公演直前にキャンセルとなり聴けなかった。このときは代役のマルセロ・アルバレスの歌唱が絶品だったので結果的に穴は埋まった形になったが、カウフマンの歌うドン・ホセもやはり聴いてみたいところだったので、あらためて本CDで聴いてみることにしたい。

2012年エリザベート王妃国際コンクール・ヴァイオリン部門ライヴ集


「2012年エリザベート王妃国際コンクール ヴァイオリン部門ライヴ集」
 バラーノフ、成田達輝、ヒョンス他(vn)
 Arte Verum 2012年ライヴ QEC2012ENC
QEC2012ENC

2012年エリザベート王妃国際コンクールのヴァイオリン部門ライヴ集。Arte Verumレーベルの新譜。2012年5月ブリュッセルでの同コンクールのセミ・ファイナルとファイナルにおけるライヴ録音。

以下の演奏がCD4枚に収録されている。なお伴奏は⑪~⑬がワロニー王立室内管弦楽団、それ以外がベルギー国立管弦楽団が担当している。

①ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番
 アンドレイ・バラーノフ(2012年コンクール優勝)

②シベリウス ヴァイオリン協奏曲
 シン・ヒョンス(2012年コンクール第3位)

③イザイ ヴァイオリン・ソナタ
 成田達輝(2012年コンクール第2位)

④ヴィクトール・キーシン カプリス
 アンドレイ・バラーノフ(2012年コンクール優勝)

⑤ラヴェル ヴァイオリン・ソナタ 
 チェン・ユーチェン(2012年コンクール第5位)

⑥ブロッホ ニーグン
 アルティオム・シシュコフ(2012年コンクール第6位)

⑦パガニーニ ヴァイオリン協奏曲第1番
 成田達輝(2012年コンクール第2位)

⑧ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
 エステル・ユー(2012年コンクール第4位)

⑨ブラームス ヴァイオリン・ソナタ第3番
 シン・ヒョンス(2012年コンクール第3位)

⑩酒井健治 ヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲
 成田達輝(2012年コンクール第2位)

⑪モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第3番
 アンドレイ・バラーノフ(2012年コンクール優勝)

⑫モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第4番
 シン・ヒョンス(2012年コンクール第3位)

⑬モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第5番
 アルティオム・シシュコフ(2012年コンクール第6位)

世界3大音楽コンクールのひとつとして知られるエリザベート王妃国際コンクールの2012年ヴァイオリン部門は周知のように弱冠20歳の日本人ヴァイオリニスト成田達輝の2位入賞が話題となったが、その実況録音を含む同部門入賞者のライヴ集がリリースされたということで是非聴いてみたいと思い入手した。

その成田達輝により⑩で演奏されている酒井健治の「ヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲」は2011年の同コンクールの作曲家部門で日本人として35年ぶりにグランプリを獲得した記念碑的作品であり、2012年の同コンクールのヴァイオリン部門ファイナルにおいて課題曲に設定されるという栄誉に浴している。

トリオ・オシュラガによるルクーの室内楽作品集


ルクー ピアノ三重奏曲、ピアノ四重奏曲
 トリオ・オシュラガ、テン・リー(va)
 ATMA-Classique 2011年 ACD22651
ACD22651

トリオ・オシュラガの演奏によるルクーの室内楽作品集。加ATMA-Classiqueの新譜。2011年3月カナダ、ケベックでのセッション録音。収録曲はピアノ三重奏曲とピアノ四重奏曲の2曲だが、四重奏曲の方はトリオ・オシュラガにテン・リーのヴィオラ演奏を加えた布陣で演奏されている。

ギヨーム・ルクーは19世紀後半に活躍したベルギーの作曲家であり、セザール・フランクやヴァンサン・ダンディの弟子として将来を嘱望されるも24歳という若さで病死した。代表作のヴァイオリン・ソナタを始めとして室内楽の分野に作品が多く残されており、そこには魅力的な作品も多く含まれているが、録音は少ない。

そんなルクーの稀少な新譜ということで入手した。トリオ・オシュラガはアンヌ・ロベルト(ヴァイオリン)、ポール・マーリン(チェロ)、ステファン・ルムラン(ピアノ)をメンバーとして2000年に結成されたカナダのトリオ団体とのこと。

なおピアノ四重奏曲はルクーが第2楽章を書き終える前に死去したため本来は未完作品であるところ、ダンディが第2楽章の未完部分を補筆した版が一般に用いられており、本CDもそれで演奏されている。

ロレール/ル・セルクル・ドゥラルモニーによるルベル交響曲第4番を含むアルバム「ロマン派のパリ」


「Le Paris des Romantiques~ロマン派のパリ」
 ロレール/ル・セルクル・ドゥラルモニー
 Ambroisie 2011年ライヴ AM207
AM207

ジェレミー・ロレール指揮ル・セルクル・ドゥラルモニーの演奏による「Le Paris des Romantiques~ロマン派のパリ」と題されたアルバム。仏Ambroisieの新譜。2011年10月フランス、メッツ・アルセナル劇場でのライヴ録音。

収録曲はナポレオン=アンリ・ルベルの交響曲第4番、ベルリオーズの「夢とカプリッチョ」(ヴァイオリン独奏ジュリアン・ショヴァン)およびリストのピアノ協奏曲第1番(ピアノ奏者ベルトラン・シャマユ)。

個人的に注目しているロレール/ル・セルクル・ドゥラルモニーの新譜ということで、前回のベートーヴェン作品集同様、今回も早速入手した。

アルバムのタイトルにあるとおりコンセプトとしては19世紀中葉のパリの音楽という括りでの選曲と思われるが、とくにナポレオン=アンリ・ルベルの交響曲が含まれているのが目を引く。ルベルは当時パリ音楽院で教鞭を取りつつ、1853年にベルリオーズとフランス学士院会員の座を争い、これを獲得するなど、当時パリの作曲界で相応の名声を博していた作曲家とされるが、現状その作品群の知名度は低く、この交響曲第4番も本CDが世界初録音となっている。

トランブレ/フランコフォニー管弦楽団によるベルリオーズの幻想交響曲


ベルリオーズ 幻想交響曲
 トランブレ/フランコフォニー管弦楽団
 Analekta 2011年 AN29998
AN29998

ジャン=フィリップ・トランブレ指揮フランコフォニー管弦楽団の演奏によるベルリオーズの幻想交響曲。加Analektaの新譜。2011年7月カナダ、ケベックでのセッション録音。

最近メキメキと頭角を現していると評判のカナダの若手指揮者トランブレの演奏はこれまで未聴だったが、幻想交響曲一曲のみの収録という自信満々ぶり?に惹かれて入手した。

フランコフォニー管弦楽団はトランブレ自身が2001年に創設し現在まで音楽監督を続けているカナダの若手メンバー中心のオーケストラとのこと。

ブロムシュテット/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるブルックナー交響曲第1番


ブルックナー 交響曲第1番
 ブロムシュテット/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
 Querstand 2011年ライヴ VKJK1115
VKJK1115

ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏によるブルックナー交響曲第1番。独クヴェルシュタントの新譜。2011年6月ゲヴァントハウス大ホールでのライヴ録音。

このコンビのブルックナーのライヴチクルスは楽しみに聴いているので今回の1番も早速入手した。

余談だが、ゲヴァントハウス管のブルックナー1番というと、個人的にはヴァーツラフ・ノイマンの録音が思い浮かぶ。

00094662BC
ブルックナー 交響曲第1番
 ノイマン/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
 ベルリンクラシックス 1965年 00094662BC

これは1965年の録音だから、もう50年近くも前のものになるが、この交響曲のブルックナーとしては異端的な作風を、このノイマン盤ほど魅力的に聴かせた演奏も珍しい。

フェルミューレン/プリマ・ラ・ムジカによるハイドンの交響曲第6番~第8番


ハイドン 交響曲第6番「朝」・第7番「昼」・第8番「夕」
 フェルミューレン/プリマ・ラ・ムジカ
 Eufoda 1995年 CDEUF1227
CDEUF1227

ディルク・フェルミューレン指揮プリマ・ラ・ムジカの演奏によるハイドンの交響曲第6番「朝」・第7番「昼」・第8番「夕」。ベルギーEufodaのCD。1995年ベルギー、ゲントでのセッション録音。

これは新譜ではないが、最近入手したアポロ・アンサンブルによるハイドンの交響曲第6番~第8番のCDを聴いてすっかり魅了させられたことは前に書いたが、その流れで入手した。

プリマ・ラ・ムジカはベルギーの室内管弦楽団で、モダン編成らしいが、ディルク・フェルミューレンはフランス・ブリュッヘンのアシスタントの経歴を持つ指揮者とのこと。師匠ゆずりのピリオド・アプローチがどのように披歴されているか。

ローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団アーカイヴ1937~2010


「ローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団アーカイヴ」
 パッパーノ他/ローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団
 Santa-Cecilia 1937-2010年ライヴ SCO19372010
SCO19372010

「ローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団アーカイヴ1937~2010の名演奏」と題されたボックスセット。これはローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団の自主制作盤として先般リリースされたものであり以下の録音がCD8枚に収録されている。

①パガニーニ 無窮動(モリナーリ編)
 指揮:ベルナルディーノ・モリナーリ
 録音:1937年シュトゥットガルト(ライヴ)

②ヴィヴァルディ 四季(モリナーリ編)
&ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲、夜想曲より「雲」
 指揮:ベルナルディーノ・モリナーリ
 録音:1942年ローマ

③ヴェルディ 歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲
&ワーグナー 「パルジファル」第1幕前奏曲
&ストラヴィンスキー 花火
&ラヴェル 「マ・メール・ロワ」抜粋
 指揮:ヴィクトル・デ・サーバタ
 録音:1945年ヴァチカン(ライヴ)

④ドビュッシー 交響詩「海」
 指揮:ヴィクトル・デ・サーバタ
 録音:1948年ローマ

⑤ベートーヴェン 交響曲第8番
 指揮:フランコ・フェラーラ
 録音:1951年ローマ

⑥ロッシーニ 歌劇「コリントの包囲」序曲
 指揮:グイド・カンテッリ
 録音:1949年ローマ

⑦ロッシーニ 歌劇「泥棒かささぎ」序曲
 指揮:ジョン・バルビローリ
 録音:1947年ローマ

⑧ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー
 ピアノ:アルマンド・トロヴァヨーリ
 指揮:ウィリー・フェレッロ
 録音:1953年ローマ

⑨カゼッラ 交響組曲「甕」
&ペトラッシ 管弦楽のための協奏曲第1番
&レスピーギ 交響詩「ローマの松」
 指揮:フェルナンド・プレヴィターリ
 録音:1956年ローマ

⑩ケルビーニ レクイエム・ハ短調
 指揮:カルロ・マリア・ジュリーニ
 録音:1952年ローマ

⑪ダラピッコラ とらわれ人の歌
 指揮:イーゴリ・マルケヴィチ
 録音:1954年ローマ

⑫スポンティーニ 歌劇「ヴェスタの巫女」序曲
 指揮:ヴォルフガング・サヴァリッシュ
 録音:1993年ローマ(ライヴ)

⑬ブラームス 交響曲第1番
 指揮:ダニエレ・ガッティ
 録音:1997年ローマ(ライヴ)

⑭ベートーヴェン エグモント序曲
 指揮:ジュゼッペ・シノーポリ
 録音:1998年ローマ(ライヴ)

⑮チャイコフスキー 交響曲第5番
 指揮:ジュゼッペ・シノーポリ
 録音:1996年ローマ(ライヴ)

⑯ブラームス 交響曲第3番
 指揮:ジョルジュ・プレートル
 録音:2010年ローマ(ライヴ)

⑰ブラームス 交響曲第4番
 指揮:チョン・ミョンフン
 録音:1996年ローマ(ライヴ)

⑱ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
 指揮:アントニオ・パッパーノ
 録音:2005年ローマ(ライヴ)

⑲ブレーズ ノタシオン
&レハール ワルツ「金と銀」
&ポンキエッリ 歌劇「ジョコンダ」より時の踊り
 指揮:アントニオ・パッパーノ
 録音:2008年ローマ(ライヴ)

ローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団というと個人的には2001年の来日公演が印象に深く残っている。指揮者はチョン・ミョンフンで、演目はベリオのシンフォニアと、チョン・キョンファをソリストに立てたブラームスのヴァイオリン協奏曲だったが、いずれもイタリア随一とされるシンフォニー・オーケストラの名に恥じない瞠目に値する演奏内容だった。

このボックスにはそのチョン・ミョンフンの録音もあるし、ほかにも最近のコヴェントガーデン王立歌劇場とミラノ・スカラ座の来日公演で聴いたパッパーノとガッティの録音もある。プレートルのブラームスはちょうど別レーベルから同じ曲のベルリン・ドイツ響とのライヴが出たのを入手したばかりだったし、シノーポリの最晩年のライヴにも食指をそそられた。また②はヴィヴァルディ「四季」の世界初録音とされているものだが今まで未聴だったのでこの機会に拝聴したいと思う。

プレートル/ベルリン・ドイツ交響楽団によるブラームス交響曲第2番&第3番


ブラームス 交響曲第2番・第3番
 プレートル/ベルリン・ドイツ交響楽団
 ヴァイトブリック 2008・2011年ライヴ SSS0129
SSS0129

ジョルジュ・プレートル指揮ベルリン・ドイツ交響楽団の演奏によるブラームスの交響曲第2番と第3番。独Weitblickの新譜。第3番が2008年、第2番が2011年、いずれもベルリンのフィルハーモニーでのライヴ録音。

プレートルは一昨年のウィーン・フィル来日公演で披歴された練達の指揮ぶりが素晴らしいものだったが、あれから何故か新譜のリリースがパタリと途絶えていたが、ようやく最近のライヴCDがリリースされたので早速入手した。

スヴェトラーノフ/スウェーデン放送交響楽団によるサン=サーンス交響曲第3番「オルガン付き」


サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」
 スヴェトラーノフ/スウェーデン放送交響楽団
 ヴァイトブリック 1998年ライヴ SSS0132
SSS0132

エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮スウェーデン放送交響楽団の演奏によるサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」。独Weitblickの新譜。1998年ストックホルム、グスタフ・ヴァーサ教会でのライヴ録音。オルガン独奏ヴァンサン・ワルニエ。

同じ顔合わせによる演奏としてスウェーデンの作曲家ヒルディング・ルーセンベリの「街のオルフェウス」組曲も収録されている。こちらは1983年ストックホルム、ベルワルドホールでのライヴ録音。

このレーベルのスウェーデン放送響ライヴ・シリーズは前回リリースのザンデルリングによるシューベルトが圧巻だったが、続いてスヴェトラーノフ最晩年のライヴ盤がリリースされた。サン=サーンスの「オルガン付き」は先月の読響の演奏会で聴いたばかりだし、今回も早速入手した。

スヴェトラーノフは「オルガン付き」をロシア国立交響楽団を指揮して1982年にスタジオ録音している。

YCC0072
サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」
 スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団
 YEDANG 1982年 YCC0072

ここではじっくりとしたテンポに基づく重厚な音楽の感触が際だつ。

ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルによるショスタコーヴィチ交響曲第12番レニングラード初演ライヴ


ショスタコーヴィチ 交響曲第12番「1917年」
 ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル
 Venezia 1961年ライヴ CDVE04405
CDVE04405

エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるショスタコーヴィチ交響曲第12番「1917年」。露Veneziaの新譜。1961年10月1日レニングラード・フィルハーモニー大ホールでのライヴ録音。

同じ顔合わせによる演奏としてアルメニアの作曲家アレクサンドル・アルチュニアンの祝典序曲も収録されている。こちらは1949年レニングラード・フィルハーモニー大ホールでのライヴ録音。

このCDに収録されているショスタコーヴィチ交響曲第12番の演奏は同作品が世界初演された1961年10月1日のレニングラードでのライヴとされる。これが初CD化ということなので、長らくレニングラード放送局のアーカイブに眠っていた音源がようやく日の目を見たことになる。

ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルの「1917年」といえば世界初演直後のスタジオ録音が思い浮かぶ。

MEL10-00775
ショスタコーヴィチ 交響曲第12番「1917年」
 ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル
 メロディア 1961年 MEL10-00775

こちらがその初演直後のスタジオ録音。音質は今一つだが演奏内容は壮絶を極めている。

ピエール・レネールのヴィオラ演奏によるショスタコーヴィチのヴィオラ・ソナタ


ショスタコーヴィチ ヴィオラ・ソナタ
 レネール(va)、レイエ(pf)
 Integral 2011年 INTEG221243
INTEG221243

ピエール・レネールのヴィオラとエリアンヌ・レイエのピアノによるショスタコーヴィチのヴィオラ・ソナタ。仏INTEGRALの新譜。2011年9月パリ・バスティーユ・オペラ、ロルフ・リーバーマンホールにおけるセッション録音。

このヴィオラ・ソナタは愛聴曲なので新譜は出来るだけ入手するようにしているが、今年は当たり年なのか何なのか、ダニロ・ロッシ盤(LIMEN)、ローレンス・パワー盤(ハイペリオン)、ジェラール・コセ盤(Mirare)に次いで実に本年4つめの新譜ということになる。

ブックレットの情報によるとピエール・レネールはフランスに生まれキム・カシュカシアンなどに師事し弱冠19歳でパリ国立オペラ座のオーケストラの首席ヴィオラ奏者に就任した腕利きのヴィオリストとのこと。

なお併録曲としてショスタコーヴィチのチェロ・ソナタのヴィオラ編曲版という珍しい作品が収録されている。これはショスタコーヴィチ夫人の許可のもとにレネール自身が原曲をヴィオラ演奏用に編曲したものということらしい。

アジア・フィルハーモニー管弦楽団の日本公演(8/2 サントリーホール)の感想


2012-8-2b

アジア・フィルハーモニー管弦楽団はチョン・ミョンフンの肝煎りで1997年に創設された、アジア諸国の演奏家を中心に構成される非常設型のオーケストラであり、2006年からは毎年夏の1週間ほどの短い期間に数公演のみを行うという形態での運営が続けられている。

、、というのがこのオーケストラの一般的な説明だが、これだけだと実態がいまいち分かりにくいので、今回の日本ツアーのプログラムに記載されているメンバー表の情報から、もう少し実態を細かく見てみると、全メンバーのうちソウル・フィルの楽員が全体の3分の一ほど、日本のオーケストラの楽団員も3分の一くらい、残りは欧米のオーケストラの楽団員、というのが大まかなバランスのようだ。

もっとも第1ヴァイオリン奏者のメンバー(今回のツアーには14人が参加している)に関しては、韓国3人(ソウル・フィル)、日本3人(N響、大阪交響楽団)、残り8人が欧米組というバランスで、その8人の所属オケを見るとフランス国立放送フィル、デトロイト響、サンフランシスコ響、ロンドン響、ベルリン・ドイツ響、ヒューストン響、ドレスデン・シュターツカペレ、ロスアンジェルス・フィルという按配であり、なかなかに壮観だ。またセカンド・ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスのトップは、それぞれサンフランシスコ響、コンセルトヘボウ管、ベルリン交響楽団の首席奏者が並んでいる。日本のオーケストラの楽団員は東京フィル、N響、新日本フィルあたりが目立つが、九州交響楽団や仙台フィルといった地方オケからも楽員が幅広く参加している。

今回ひさしぶりにアジア・フィルの公演を聴きに行った。このオーケストラを聴くのは2001年の東京公演(東京国際フォーラム、演目はベートーヴェンの「第9」)以来、実に11年ぶりになるのだが、聴いてみて驚いたのは前回の公演の時に耳にした演奏のイメージとは全くと言っていいほど違った感触の演奏が披歴されたことだった。

前半はシューベルト「未完成」だったが、この曲はたまたま先月ハーディング/新日本フィルの演奏会で耳にしたばかりだったが、このミョンフン/アジア・フィルが披歴した演奏も、その先月の演奏と同系統の感触であり、いうなら沈着なスタンスから丁寧にアンサンブルを紡いだ、ふっくらと柔らかい音を印象づける美しいシューベルトだったが、これはおそらく先月のハーディング/新日本フィルの行き方を更に一歩推し進めるとこうなる、というような練り切れた表現というべきものであり、聴き終えて実に深々とした余韻がもたらされた。

後半のベートーヴェン「英雄」は第1楽章冒頭から圧倒的なハイ・テンポでグングン突き進む行き方だったが、にもかかわらず一糸乱れぬアンサンブルからは何とも音立ちの良い響きが絶え間なく提供されてくるし、音響的な洗練味も前半のシューベルトに劣らず出色、加えてミョンフンは複数の渾身のフォルテッシモにおいてアクセルを思い切りよく踏み込み熾烈な音響の充溢を躊躇しないという強メリハリ型の表現をも具有するベートーヴェン像を披露、ことに第2楽章再現部のフーガではじっくりと攻めたスロー・テンポから深々としたアンサンブルの鳴動を引き出し感動的だったし、そこでは一昨年同じホールで聴いたプレートル/ウィーン・フィルのエロイカの残像が脳裏に蘇るほどだった。

それにつけても11年前に耳にした同じオーケストラのベートーヴェンとは随分と違っており、この点には率直に驚かされた。というのも、当時の同オケの演奏は確かに燃焼力の高いアンサンブルによるホットなベートーヴェンというイメージだったが、少なくともアンサンブルの響きの上質な美感、高度に洗練された音響的な美しさといったものは、それほどには感得できなかったからだ。

むろん東京国際フォーラムAホールとサントリーホールの音響環境の差は非常に大きいし、あるいは11年という年月に係るアンサンブルのブラッシュアップの度合いも大きいのかもしれない。しかし聴いていて強く思ったのは、音楽監督のミョンフンがフランス国立放送フィルのシェフを現在まで長らく務めていることが存外に大きなファクターになっているのではないかということであり、というのはミョンフン率いるフランス国立放送フィルの来日公演を以前に同じホールで聴いた時と近しい響きの感触が、時おり今回のアジア・フィルのアンサンブルから特に管パートを中心に感じられたからで、おそらくミョンフンのフランスでの長年のキャリアがアジア・フィルの演奏のコンディションに少なからず良質な影響を及ぼしているのではないだろうかと聴き終えて思った。

オケの編成は前述のように14型。正確には14-14-12-10-8という変則的なものだったが、おそらく16型にする予定がヴァイオリンに欠員が出て止むなくこうしたのだろう。

アジア・フィルハーモニー管弦楽団の日本公演(8/2 サントリーホール)


8/2 サントリーホール
アジア・フィルハーモニー管弦楽団 日本公演

指揮:チョン・ミョンフン

演目:
シューベルト 交響曲第8番「未完成」
ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」

2012-8-2
開演前の様子

スクロヴァチェフスキ/読売日本交響楽団によるシューマンの交響曲第4番


シューマン 交響曲第4番
 スクロヴァチェフスキ/読売日本交響楽団
 読売日響自主制作 2007年ライヴ GES-13954
GES-13954

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮、読売日本交響楽団の演奏によるシューマンの交響曲第4番。読売日響自主制作によるCD。2007年東京、サントリーホールでのライヴ録音。

先月このオーケストラの演奏会を聴きに行った折に入手したCDだが、ここに収録されているのは2007年9月25日の、サントリーホールにおけるライヴだが、この演奏会には足を運んでいたので、このシューマンは客席で耳にしていた

そういうわけで懐かしい演奏との思いがけない再会となったが、この演奏会は確か、サントリーホールが3月いっぱいで改装のため休館したため、半年くらい御無沙汰したあと久々にホールに足を運んだ演奏会であり、それだけに普段よりもコンサート自体の印象がいっそう強かったし、演奏内容も素晴らしいものだった。

このシューマン4番は演奏会の前半の演目であり、後半はショスタコーヴィチの交響曲第10番だったが、このショスタコーヴィチは超弩級の名演だったと記憶している。もし録音が存在するなら是非ともリリースを希望したい。

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