ヤナーチェクのグラゴル・ミサ原典版とプロコフィエフの交響曲第6番(シャンドス30周年BOX:CD14&15)
「シャンドス30周年BOX」収録盤の感想記の続きです。今回はCD14とCD15を聴きました。

ヤナーチェク グラゴル・ミサ(原典版)
&コダーイ ハンガリーの詩篇
マッケラス/デンマーク国立放送交響楽団
1994年録音
このデンマーク国立放送響とのグラゴル・ミサは、同曲の「原典版」による世界初録音盤と表記されています。
このグラゴル・ミサの録音に際して一般に用いられている8楽章構成の「改訂版」と比べた場合、原典版は改訂版での終楽章「イントラーダ」が冒頭にも配置された9楽章構成となっているようですし、細部の音形なども改訂版とは異なる場面がかなりあるようです。
もっとも、このマッケラス/デンマーク国立放送響のグラゴル・ミサには、そういう演奏版の稀少性とは独立した演奏自体の良さがあり、ことにオーケストラの充実感が総じて素晴らしく、例えば第5楽章の(7:30)などの、決めどころでのティンパニの痛打に聴かれる、綺麗事でない荒びた迫力などを始め、全体に名匠マッケラスがヤナーチェクの音楽の美質をうまく引き出していて、聴いていて音楽にグングン惹き込まれます。
ちなみにマッケラスの指揮によるグラゴル・ミサというと、一般的に知名度の高いのは以下のチェコ・フィルとの改訂版による録音ではないかと思います。

ヤナーチェク グラゴル・ミサ(改訂版)
マッケラス/チェコ・フィル
スプラフォン 1984年 COCO-70412
このチェコ・フィルとの改訂版グラゴル・ミサは、一般的な版による演奏である点と、ヤナーチェクの本場チェコ・フィルによる、完成度の高く洗練された演奏で、この曲の代表的名盤として認知されるに足る内容だと思うのですが、私の印象としては、いささか洗練が過ぎて、聴いていて意外にヤナーチェクの音楽の魅力たる土俗感、ないしスラブ的なパッションといった要素が抑制されてしまっている感もあり、そのあたりに物足りなさも残るものでした。
その点、本ディスクのデンマーク国立放送響とのグラゴル・ミサは、むしろ本場チェコ・フィルよりもヤナーチェク的な雰囲気が強いような感じがして面白いと思いました。

プロコフィエフ 交響曲第6番、ワルツ組曲第1、3、4番
ネーメ・ヤルヴィ/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
1984年録音
このCDは、ネーメ・ヤルヴィがスコティッシュ・ナショナル管を振って録音したプロコフィエフの交響曲全集からの抜粋なのですが、私はちょうど今年の初め、その全集の再発ボックスを入手していますので、交響曲に関してはダブリになってしまいました。
とはいえ、併録のワルツ組曲の方は、その全集ボックスには含まれていませんから、完全なダブリでもなくて良かったなと思います。
私はプロコフィエフの7曲の交響曲では2番が最も好きで、次いで3番・4番、さらに1番・5番と続くのですが、これらに比べると6番と7番は正直いまひとつ苦手というか、ピンと来ない気がします。
それでもこのCDの交響曲第6番を改めて聴いてみて、演奏自体の凄さを再確認させられる思いでした。第1楽章の(9:38)から(10:40)あたりまでの音響的迫力、その凄味など、並のものではないと思います。
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