フルトヴェングラーRIASレコーディングス(ブラームスの3番・49年ライヴ)
ブラームス 交響曲第3番
フルトヴェングラー/ベルリン・フィル
アウディーテ 1949年ライヴ AU21403

アウディーテの「フルトヴェングラー・コンプリートRIASレコーディングス」ですが、昨日に続いて今日は1949年12月18日のブラームス交響曲第3番のライヴ演奏を聴いてみました。
ここでの音質の比較盤ですが、以下のグランドスラム盤になります。

ブラームス 交響曲第3番
フルトヴェングラー/ベルリン・フィル
グランドスラム 1949年 GS2011
これは2006年リリースのグランドスラムレーベルによる復刻盤です。カップリングとして1952年録音のウィーン・フィルとのスタジオ録音によるベートーヴェンの交響曲第4番が収録されています。
このグランドスラム盤はもちろん板起こし盤で、シャーという針音が一定の音量で続いていますし、スクラッチノイズ、プチプチノイズといった板おこし盤に特有するノイズもかなり混入しています。対してマスターテープからダイレクトに音録りしたアウディーテ盤には当然これらのノイズは無く、テープノイズも非常に低く抑えられています。したがって、昨日とりあげたブラームス4番の48年ライヴにおけるミソスv.s.アウディーテの図式がここでもそのまま当てはまります。
それで聴き比べての印象はというと、少なくとも昨日のような板おこし盤(ミソス)の明確な優位というのでなく、それぞれに一長一短で甲乙付け難い、そんな気がします。
グランドスラム盤ですが、音響のマッシブな実在感が相変わらず抜群で、聴いていて嬉しくなります。重低音の部分が全般に痩せ気味なのが若干気になりますが、高音の響きがかなり良く、とくにヴァイオリン・パートの響きの色合いがすこぶる鮮やかですし、中音域の実在感もかなり秀逸です。ことに第1楽章の展開部の、あの極限的なテンポの揺さぶりを伴う最強奏の凄味など、他盤の演奏との比較を絶する凄さですし、中間2楽章もものすごい密度ですね。終楽章でのすさまじい緩急強弱を伴う悪魔的な音楽の起伏なども、高感度な音質によりその凄さがまざまざと伝わってくる感じです。
対してアウディーテ盤の方は、音響自体はそれほどマッシブな感触は目立たず、すっきりした感じで、迫力的にはグランドスラム盤に一歩引けを取る感じがします。しかし、とにかくノイズレベルがグランドスラム盤より圧倒的に低いため、ノイズに煩わされることなく演奏を堪能できますし、このノイズレベルの低さゆえに、ボリュームレベルをグランドスラム盤より2割増しくらいにすることで、迫力を相当に補完することができます。グランドスラム盤の音質は確かに素晴らしいとはいえ、さすがにミソスのブラ4のような奇跡的な復刻レベルとまではいかない感もあるので、マスターテープから直接復刻したアウディーテ盤の音質がかなり肉薄しています。
以上、この49年12月18日のブラームスの3番に関しては、両盤ともほぼ互角の、高水準の復刻内容を誇っていると思います。あとはもう聴き手の好みの問題ではないでしょうか。
あと音質比較とは関係ないですが、グランドスラム盤にカップリングされているウィーン・フィルとのベートーヴェンの4番は音質が信じがたいほどの良さで、これはフルトヴェングラーのスタジオ録音盤の中でもおそらく最優秀の部類だと思います。
先のブラームスと違ってここでのベートーヴェンは全楽章とも遅めのテンポを維持した客観スタイルの凄みが充溢する演奏ですが、音質の良さもあり、ウィーン・フィルのアンサンブルの響きの美感が聴いていて圧倒的に伝わってきます。それにしても、なんという有機的な響きでしょう、往年のウィーン・フィルというのは、、、
| HOME |


