フルトヴェングラーRIASレコーディングス(ブラームスの4番・48年ライヴ)


ブラームス 交響曲第4番
 フルトヴェングラー/ベルリン・フィル
 アウディーテ 1948年ライブ AU21403
AU21403

アウディーテよりリリースされた「フルトヴェングラー・コンプリートRIASレコーディングス」に関して、引き続き「ティタニア・パラストのブラ4」として知られる1948年10月24日のブラームス交響曲第4番のライヴ演奏を聴いてみました。

ここでの音質の比較対象は、以下のミソス盤と本家EMI盤です。

MPCD1002
ブラームス 交響曲第4番
 フルトヴェングラー/ベルリン・フィル
 MYTHOS 1948年ライブ MPCD1002

TOCE-3294
ブラームス 交響曲第4番
 フルトヴェングラー/ベルリン・フィル
 EMIクラシックス 1948年ライブ TOCE-3294

このうち、上記ミソス盤については、以前にも当ブログで書きましたが、音質がこれ以上ないと思えるほどの良さであり、ここでのフルトヴェングラーの演奏の破格ぶりが、こよなく伝わってくるものです。

それで聴き比べてみた結果ですが、やはりミソス盤には及ばない、というのが正直なところです。

まず、このアウディーテ盤の音質は、決して悪いものではなく、少なくとも、同じくオリジナル・マスターによる本家EMIのブライトクランクステレオ方式・HS-2088リマスタリングによる上記TOCE-3294よりは遙かに良い音質水準です。

しかしながら、くだんのミソス盤(MPCD1002)と比べると、まず同じ音量レベルで再生してもアンサンブルの迫力やソノリティの臨場感において少なからず引けをとる印象を否めず、ボリュームを上げても、ミソス盤での最大ボリューム近辺において聴かれる壮絶を極めた音楽の表情には残念ながら比肩しない、というのが率直な感想です。

ただこれは、あくまで私の音質に対する個人的な嗜好を踏まえての結論であり、人によってはこれと全く逆の印象を持たれることも、多分にあり得るかと思われます。

というのも、こと聴きやすさという点ではアウディーテ盤の方がミソス盤よりもずっと良好だからです。ミソス盤はレコードからの板おこし盤なので、当然シャーという針音が常に一定の音量で続いていますし、スクラッチノイズやプチプチノイズといった板おこし盤に特有するノイズもかなり混入しています。対してマスターテープからダイレクトに音録りしたアウディーテ盤には当然これらのノイズは無く、テープノイズも非常に低く抑えられています。したがって、少なくともノイズに煩わされることなく演奏を堪能したい、という向きにはこのアウディーテ盤はまさに打ってつけと思われるものです。

しかし私の場合、聴きやすさやノイズの多寡よりは演奏自体のリアリティ、すなわち音響的実在感の度合いを重視するため、やはりミソス盤の優位と結論せざるを得ませんでした。

そういうわけで、このアウディーテ盤の音質は決して悪いものではなく、それどころかオリジナル・マスターからの復刻という範疇においては最上位の音質ではないかと思われるほどであり、これはこれで十分に傾聴に値するものでしたが、いかなオリジナル・マスターといえども、録音から60年もの歳月を経ればそれなりの老朽化(磁気劣化)は避けられず、ミソス盤のように、むしろ保存状態が真に良好なレコードから起こした音質の方が聴き映えがするという事実を、あらためて思い知らされることにもなったように思います。

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