フルトヴェングラーRIASレコーディングス(ベートーヴェン「運命」「田園」47年ライヴ)
ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」、第6番「田園」
フルトヴェングラー/ベルリン・フィル
アウディーテ 1947年ライヴ AU21403

昨日書きましたように、「フルトヴェングラー・コンプリートRIASレコーディングス」に収録されている、47年5月25日におけるベートーヴェン「運命」と「田園」の音質を同一演奏の既出盤と聴き比べてみました。
これらは言うまでもなく、フルトヴェングラーの戦後ベルリン復帰演奏会初日における記念碑的なコンサートのものですが、この両演奏に関しては、昨年末にターラからリリースされた、以下のライヴ集を今年の春先に耳にして、その音質の良さに仰天させられた記憶が新しいところです。

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」、第6番「田園」
フルトヴェングラー/ベルリン・フィル
ターラ 1947年ライヴ FURT2002-2004
そこで、このターラ盤と今回のアウディーテ盤とで、双方の音質を比べてみました。
まず「運命」の方ですが、いずれ互角の素晴らしさで、ちょっと簡単には甲乙付け難いですね。
いずれも当日の演奏会における常軌を逸した音楽の迫力が、信じがたいほどに生々しい臨場感で伝わってくるもので、どちらで聴いても感銘の深さは大きく変わらないのですが、敢えて言うなら、ターラ盤の方が肉厚感が豊かで、強奏時の迫力に一歩勝る気がしますし、逆にアウディーテ盤は響きの肉厚がやや大人しい代わりに、アンサンブルの輪郭に対するフォーカスが非常にキリッとしていて、克明感の高いソノリティによるトータルな演奏の迫力において一歩勝るように思われます。
次に「田園」ですが、こちらはターラ盤よりも今回のアウディーテ盤の方に軍配が挙がると思います。
というのも、アウディーテ盤の方が明らかにソノリティの克明感が高く、ターラ盤においては聴き取れないほどのちょっとしたトーンまでも鮮明にすくい取られているからで、これは正直、聴いていて驚かされました。
例えば第1楽章の冒頭4小節めの後半あたり、アウディーテ盤ではステージ上の奏者の座る椅子が軋む音が、はっきりと聴き取れるのですが、ターラ盤の同じ箇所では全く聴き取れませんね。同じようなことは他の部分にもあり(特に第2楽章に顕著)、総じてアウディーテ盤の方が音響的な臨場感がひとまわり豊かで、聴いていてライヴであるという実感が、ターラ盤よりも強く湧いてくる感じがします。
ターラ盤の音質とて決して悪いとは思わないのですが、上には上があるというところでしょうか。
残り11枚はまだ未聴ですが、何とか時間をみつけて聴いて行くつもりですし、そのいくつかの演奏については、また改めて、今回と同じように音質の比較をしてみたいと思います。
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