ライプツィヒ四重奏団によるメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲全集
メンデルスゾーン 弦楽四重奏曲全集、室内楽作品集
ライプツィヒ四重奏団
MD+G 2000〜02年 30715712

メンデルスゾーン生誕200周年の今年、長らく廃盤状態でこれまで入手困難とされていたドイツの名門ライプツィヒ四重奏団のメンデルスゾーン・弦楽四重奏曲全集が、廉価のボックスセットで再リリースされていたので、購入してみました。
これはCD5枚組のセットで、番号付きの6曲に習作の変ホ長調を加えた計7曲の弦楽四重奏曲と、八重奏曲(作品20)、アンダンテ(作品81−1)、スケルツォ(作品81−2)、カプリッチョ(作品81−3)およびフーガ(作品81−4)がCD4枚に収録され、最後の5枚目には、交響曲第1番、 第5番「宗教改革」、序曲「フィンガルの洞窟」および序曲「ルイ・ブラス」の、珍しい室内楽バージョンに基づいた演奏が収録されています。
メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲というと、番号付きの6曲のうち最初の1番と2番はベートーヴェンの影響が色濃く、メンデルスゾーン自身の個性味が明確に発現されるのは第3番以降で、特に最後の第6番はメンデルスゾーンの残した全作品とひき比べても最も深みのある作品のひとつ、というのが私なりの大雑把なイメージです。
そんなイメージを背景に、このライプツィヒ四重奏団の全集をひと通り聴いてみたのですが、やはり全6曲の中でも、最後のへ短調の第6番は破格だなという思いを新たにしました。
メンデルスゾーンの死の直前の作品であるこの作品に浮遊する異常な雰囲気、ことに終楽章の(4:14)からの慟哭のような楽想など、これを聴くと、もしメンデルスゾーンがさらに長生きしていたら、こんな凄い作品がもっと創出されたのか、否、死の直前だからこそ、これだけの曲が書けたのか、など、色々と想像させられます。
ライプツィヒ四重奏団のアンサンブルは全体に正攻法の手堅い運びですが、ここぞという際のえぐりの効いたフレージングの切迫感が素晴らしく、第6番などこの曲の異常性が聴いていてまざまざと伝わってくる感じですし、初期作品にもベートーヴェン作品を聴くかのようなピリッとした緊張が良く付帯していて傾聴させられるものでした。
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