ドマルケット&ダルベルトの室内楽コンサート(LFJ2011公演)


5/5 よみうりホール
LFJ2011・公演Y-383

ブラームス チェロ・ソナタ第2番
R.シュトラウス チェロ・ソナタ 
 アンリ・ドマルケット [チェロ]
 ミシェル・ダルベルト [ピアノ]

この2曲で55分の枠、、、きっとテンポが速いのかな、と思っていたら、普通のテンポで、普通に15分オーバーでした、、

ステージ前方にドマルケット、後方にダルベルト、という配置。直前の公演(ライプツィヒ四重奏団)のY-382と違って弦奏者が一人なので、ステージの奥行きに若干の余裕があったとみえ、こちらは公演Y-382のようにピアノが反響板にべた付けという状態ではありませんでした。

そのせいもあるのか否か、同じホールで直前に耳にした田部京子さんの抑制の効いたピアニズムとは一味違い、ダルベルトは調和の取れた音楽の造型美を踏まえつつも、アクセルを踏み込むところでは大胆に踏み込み、ホールを震撼させる強打を炸裂させるという、メリハリ豊かなピアニズムを披歴しました。ドマルケットのチェロは実に豊穣な響きの感触。ふくよかに美しい音色がホールに充溢し、とにかく聴いていて惚れぼれでした。

それにしてもブラームスとR.シュトラウスのチェロ・ソナタ、こうして並べて演奏されると、同じドイツの作曲家でも、オペラを全く書かなかった作曲家と、ドイツ音楽史上でも屈指のオペラ作曲家とでは、たとえ小規模な室内楽作品であっても、音楽の性格に如実な開きがあるということを、あらためて実感させられました。

アシュケナージ/ベルリン・ドイツ響によるグラズノフの組曲「ショピニアーナ」


ショパン ピアノ協奏曲第1番
&グラズノフ 組曲「ショピニアーナ」
 アシュケナージ(pf、指揮)/ベルリン・ドイツ交響楽団
 デッカ 1997年 POCL1794

POCL1794

昨日に引き続き、ラ・フォル・ジュルネ関連の話です。とはいえ新譜の感想というわけではなく、ちょっとした雑談です。

今回のラ・フォル・ジュルネではテーマ作曲家がショパンということで、ショパンの全ピアノ作品の上演にとどまらず、他の作曲家の作品でもショパンに関連する演目なら積極的にプログラムに載せたりするなど、すごく意欲的な内容でしたが、それでも私の印象として、この作品は上演に掛かるかなと思っていて、掛からなかった作品というのが2つばかりありました。

ひとつは以前このブログでも取り上げた、フンメルのピアノ協奏曲第2番です。後年ショパンが偏愛し、ショパン自身のピアノ協奏曲の曲想の根源にもなったとされる曲ですし、ショパンのピアノ協奏曲を連想させるパッセージやムードが随所に見受けられるので、今回のラ・フォル・ジュルネで演奏されても良さそうな気がしました。

もうひとつがグラズノフの組曲「ショピニアーナ」です。これはオーケストレーションの大家グラズノフが、ショパン追悼のため1893年に編曲した作品ですが、ここではショパンの作曲したピアノ曲のうち、軍隊ポロネーズ、ノクターン第4番、マズルカ第32番、ワルツ第7番、タランテラの計5曲が選ばれて管弦楽化されています。

私がグラズノフの「ショピニアーナ」を初めて聴いたのが、このヴラディーミル・アシュケナージ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団のデッカ盤でした。もう10年以上前に購入したCDになります。

以上、雑談でした。これで一応ラ・フォル・ジュルネ関連の話は終了としまして、以前に予告しました通り、今後は「読書間奏」の方のコンテンツを、少し本格的に書いていこうかと思っています。

ル・ジュルナル・ド・ショパン~ショパンの音楽日記


「ル・ジュルナル・ド・ショパン~ショパンの音楽日記」
 ジュジアーノ(pf)、児玉桃(pf)、ケフェレック(pf)ほか
 Mirare 2008年頃?録音 MIR114

MIR114

仏Mirareから先月リリースされた、「ル・ジュルナル・ド・ショパン~ショパンの音楽日記」と題されたCDを聴きました。

これは先日のラ・フォル・ジュルネのCD売り場で購入したCDで、「ショパンの人生を作品と共に辿る日記風のアルバム」というコンセプトに基づいて、ショパン7歳のときのデビュー作品であるト短調のポロネーズから、死の床で書かれた絶筆であるへ短調のマズルカまで、それぞれの作曲年代が均等になるように計15曲が選ばれ、6人のピアニストにより演奏されています。

その6人のピアニストというのがアブデル・ラーマン・エル=バシャ、アンヌ・ケフェレック、フィリップ・ジュジアーノ、イド・バル=シャイ、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ、児玉桃となっていて、ちょうど私がラ・フォル・ジュルネで実演に接したピアニストが3人含まれていたこともあり、ラ・フォル・ジュルネの余韻に浸るにはちょうどいいかなと思って購入してみたのでした。

なお、録音年は記載されていませんが、このCDと同名の「ル・ジュルナル・ド・ショパン」という、上記6人のピアニストによるリサイタルが、2008年に行われていることから、それと同時期の録音ではないかと思われます。

それで聴いてみたところ、私が実演に接した3人のピアニストに関しては、それぞれの実演での感触が聴いていて蘇ってくるようでしたし、特に児玉桃に関しては収録曲が実演と同じスケルツォ第2番ですので、まさにあの時の演奏そのもの、という感じがしました。

そういうわけで、このCDを購入した当初の目的は達成された次第ですが、それとは別に意外な驚きがありました。

というのも、ここでの6人のピアニストのうち、私が今回のラ・フォル・ジュルネで実演を聴かなかった方の3人の中に、ちょっとビックリするような、素晴らしい演奏を披歴するピアニストが含まれていたからです。

そのピアニストの名前は、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ。このCDでは全15曲のうちのノクターンOp.15-1とバラード第2番の2曲だけを弾いているのですが、その2曲ともピアニズムの表出力がハンパでなく、なんと素晴らしい演奏だろうと、聴いていて心底から感じ入ってしまうほどなのです。

彼は一体どういうピアニストなんだろうと思って、CDのライナーを見ますと(このCDは輸入盤なのに日本語の解説が入っている)、1986年パリ生まれ、著名な国際コンクールでの優勝歴こそ無いものの、バッハからシュトックハウゼンまで幅広いレパートリーを誇り云々とあります。

それにしても、これほどのピアニズムだったら、多少ムリしてもチケットを買って聴いておけば良かったなと、今更ながら少し後悔もしているところですが、とまれ本CDは、コンセプトからしてセンスがいいですし、何より複数のピアニストによる多彩なショパンの名演を楽しめるCDとして、これからも繰り返し耳にしたいと思っています。

LFJ2010公演感想:エンゲラーのリスト「葬送」と「十字架への道」&児玉桃のピアノリサイタル


・公演344(Cホール):
リスト 葬送(「詩的で宗教的な調べ」より)
リスト 十字架への道
 ブリジット・エンゲラー(ピアノ)
 ジャン=クロード・ファゼル(指揮)
 ローザンヌ声楽アンサンブル

LFJ-344

前日の公演245に続いてのエンゲラーの公演でしたが、ピアニズム自体の精彩に関しては、こちらのリストの方が何となく冴えていたように思えました。前日のショパンは、正直ちょっと苦戦しているようにも聴こえたのですが、本公演では「葬送」から何か水を得た魚というみたいにバリバリと弾き切った感じでしたし、リスト「十字架への道」も素晴らしく、こちらはCDも出しているくらいですから、おそらくエンゲラーにとって自家薬籠中という作品なのでしょう。

ジャン=クロード・ファゼルはローザンヌ声楽アンサンブルのメンバーで、コルボのアシスタントとして指揮もするとのことです。ローザンヌ声楽アンサンブルの歌唱も前日のモーツァルト同様、魅力的でした。

この公演で問題があるとするなら、公演時間の設定でしょう。この2曲で45分ワクというのは無理で、実際60分を要する公演でした。おそらく、エンゲラーの「十字架への道」のCDが37分で演奏されているので、それと「葬送」とで45分が妥当と考えたのではないかと思うのですが、「十字架への道」は15ものフェイズからなる曲で、曲の切れ目ごとに間が入りますし、独唱者が入れ替わりする時間も含めて、実演だと最低45分は必要で、結局60分のワクが妥当だと思われます。

LFJ-355

・公演355(D7ホール):
モシェレス メランコリックなソナタ
アルカン 前奏曲「海辺の狂女の歌」
メンデルスゾーン ロンド・カプリチオーソ
ショパン 4つのマズルカop.41
ショパン 幻想即興曲
ショパン スケルツォ第2番
 児玉桃(ピアノ)

D7ホール、実は今回はじめて入りました。キャパが小さいわりに音響的には今一つというところでしょうか。天井もあんなですし、、、

前半3曲に関しては、普通に上手いなという印象で、前日のジュジアーノのように突き抜けたテクニックという感じでもなく、端的に普通の演奏という感じでした。

しかしショパンのマズルカあたりから、そのピアニズムの奥に潜んでいたような何かが、徐々に頭をもたげてきた、のではないかというような演奏に切り替わっていき、演奏自体の訴求力も加速度的に伸びていったように思われたのです。

その何か、というのは、かなり言葉にしにくい感覚的な性質のもので、よって書きにくいのですが、敢えて書くなら例えば役柄に対する没入の度合いというのが尋常でないがゆえに、その役に成り切ることのできてしまう優れたアクトレスのようなメンタリティではないか、という気がします。

つまり、作品の内面から流れてくる、およそ普通の人には聴かれないパルスのようなものに、何時の間にか乗っかったような状態で展開されたのが、この時の一連のショパンではなかったかと思うのです。まるでショパンの音楽への並々ならぬ情熱が高じて、そういう地点にまで気持ちが高まったかのような、、、いずれにしても、そのときに披歴されたピアニズムの精彩は並大抵のものではありませんでした。

なかんずく最後に弾かれたショパンのスケルツォ第2番においては、その一心不乱なピアニズムの迫力に聴いていて度肝を抜かれるくらいでしたし、何だかショパンその人がピアノを弾いているかのような雰囲気を湛えた、すごいインパクトの演奏で、聴いていて素直に感動しました。そしてLFJの最後の最後に、ようやく純正のショパンを聴いたような気がしたのでした。

LFJ2010公演感想:「ショパンの葬送」&「マヨルカの夜」


・公演215(Aホール):
「ショパンの葬送」
ショパン 前奏曲第4番(オルガン独奏)
ショパン 前奏曲第6番(オルガン独奏)
ショパン(ヘルツィン編曲) 葬送行進曲(オーケストラ版)
モーツァルト レクイエム
 シャルロット・ミュラー=ペリエ [ソプラノ]
 ヴァレリー・ボナール [アルト]
 クリストフ・アインホルン [テノール]
 ピーター・ハーヴェイ [バリトン]
 鈴木優人 [オルガン]
 ミシェル・コルボ [指揮]
 ローザンヌ声楽アンサンブル
 シンフォニア・ヴァルソヴィア

LFJ-215

この公演、開始時間が19:30でしたが、実は直前に聴いた公演236の終演時間が19:25。開演ギリギリで飛び込みました。

着席してほどなく、「ショパンの葬送」ということでオルガン演奏が始まりました。このコンサート名の由来ですが、この公演では1849年10月30日にパリ・マドレーヌ寺院で行われたショパンの葬儀での演目が再現されているから、とのことです。

やはり素晴らしかったのはモーツァルトのレクイエムでした。そういえばコルボ/ローザンヌ声楽アンサンブルもLFJでは3年連続で聴いています。一昨年はロッシーニのミサ、昨年はバッハのロ短調ミサ。でもオーケストラは毎年ちがっていて、一昨年はアカペラでしたし、昨年はローザンヌ器楽アンサンブル、そして今年はシンフォニア・ヴァルソヴィア。

ここでのモーツァルトも、聴き進むほどに音楽の懐の深さに魅了させられる、そんな演奏でした。たとえオケは違っても、コルボ/ローザンヌ声楽アンサンブルという基本ラインがデンと構えているので、音楽が揺らがないのでしょう。ローザンヌ声楽アンサンブルを毎年ナマで聴いて思うのは、やはりミサ祈祷文に対する歌唱力が抜群ではないかということで、おそらくミサ曲を歌わせたら敵なしと、いうくらいのアンサンブルではないでしょうか。

・公演227(B7ホール):
「マヨルカの夜」
①ショパン 「ヘクサメロン」変奏曲
②ショパン ワルツop.34-1「華麗なる円舞曲」
③ショパン ワルツop.34-2「華麗なる円舞曲」
④ショパン ワルツop.34-3「華麗なる円舞曲」
⑤ショパン バラード第2番
⑥ショパン 24の前奏曲
 ①②:アブデル・ラーマン・エル=バシャ [ピアノ]
 ③④:児玉桃 [ピアノ]
 ⑤⑥:フィリップ・ジュジアーノ [ピアノ]

LFJ-227

「マヨルカの夜」と題されたこの公演は、ショパンが1830年代に作曲したピアノ曲を演目とするコンサートで、まず俳優の石丸幹二がナレーションを読み上げ、3人のピアニストが順番にショパンを弾くという形態でした。

アブデル・ラーマン・エル=バシャと児玉桃に関しては、それぞれ小曲を2つ弾いただけですので、サッと弾いてサッと帰ったという感じで、正直これといった印象はなく、ほぼフィリップ・ジュジアーノの独演会と言ってもいいものでした。

そのジュジアーノは1973年フランスのマルセイユ生まれのピアニストで、第13回ショパン国際ピアノコンクール(1995年)で最高位(1位なしの2位)を受賞しています。

最初のバラード第2番では、中間部での指回りに圧倒させられました。すごい速さで、おそらくあれ以上速くは弾けないというくらいのスピードでしたが、ミスタッチのミの字もなく、すべてのタッチが燦然としていて、聴いていて人間業とは思えないような、凄いインパクトがありました。

しかし真に驚かされたのは、次の「24の前奏曲」で、これはジュジアーノのヴィルトゥオジティが全開、というくらいの演奏でした。その超絶的な演奏技術から発せられる表出力が圧巻で、何しろ信じられないほどに速いテンポで一気呵成に弾きつつ、技術的に危うさがないという、そんな演奏を至近距離で聴かされた日には、おそらく誰だって参ってしまうのではないか、、、

もっとも、これが仮にベートーヴェンのソナタなり、ブラームスの独奏曲なりだったら、また話は微妙に違ってきたような気もするのですが、ここでのショパンのテクニック主導型のピアノ作品においては、少なくともピアニストのテクニックの凄味というものが、ダイレクトに演奏の表出力に転換されるメカニズムであるからこそ、こういったヴィルトゥオジティ一辺倒の演奏に聴き手は素直に参ってしまうのだと思うのです。

それにしても、このジュジアーノの演奏を聴いていて思ったのですが、私が仮にこれと全く同一の演奏を、もしCDで聴いたとしたら、そのCDの音質が、たとえ実演と寸分たがわないものであったとしても、ひょっとして私は、それを聴いて大きく心を動かされることはないのではないか、、、と、そんな気がしました。完成度は高いが、、とか、そんなことを書いてしまいそうなのです。

いくら聴こえてくる演奏が凄くても、「実際の演奏」が本当に凄いのかどうかは分からない。これは音質の良し悪しとは全く関係のない話で、いわば編集の介在が不可避なCDの宿命。幾らミスをしても録り直せる以上、実演だと絶対にごまかしが効かないことが、CDだと幾らでもごまかせる、、、

それを推し進めると、「結局、クラシック音楽って、CDで聴くのに最も向かない音楽なのでは?」みたいな考えも起きてくるのですね。ウソの介在が排除できない以上、その演奏の真実味を推し量ることが、実演とは比較にならないくらい難しい。かつてチェリビダッケが録音を頑として拒否したのも、突き詰めるとそのあたりに行き着くのかもしれない、、、

そんなようなことを、本公演のジュジアーノの演奏を聴いて、何となく考えさせられたのでした。もちろん凡庸な演奏だったら考えもしないことであり、演奏自体の見事さに加え、こういうことを考える機会を与えられたことも含めて、このコンサートは私には貴重な体験でした。

LFJ2010公演感想:エンゲラー/オーヴェルニュ室内管&シャマユ/ライプツィヒ四重奏団


・公演245(Cホール):
リスト 弦楽のための「夕べの鐘、守護天使への祈り」(「巡礼の年 第3年」より)
ショパン(ワルター編曲) ピアノ協奏曲第2番(ピアノ・弦楽合奏版)
 ブリジット・エンゲラー [ピアノ]
 アリ・ヴァン・ベーク [指揮]
 オーヴェルニュ室内管弦楽団

LFJ-245

LFJでブリジット・エンゲラーを聴くのは3年連続で、何だかエンゲラーを聴くとLFJに来たなと実感するような気がします。

ここではショパンのピアノ協奏曲第2番が演奏されましたが、直前に聴いたポゴレリッチの同じ曲の演奏とは対照的な、伸び伸びとして晴朗な趣きの演奏を披露し、同じ曲で、こうも雰囲気が変わるものかというくらいでした。同じ漱石でも「こころ」の後で「三四郎」を読んだ、みたいな気分です。

オーヴェルニュ室内管ですが、(LFJの常連なのに)実は初めて聴きました。フランスの古都クレルモン=フェランのオーケストラで、アリ・ヴァン・ベークが音楽監督とのことですが、聴いていて深い趣きのある美しい響きが素晴らしくて魅了させられました。ふっくらとして美しい響きを出す低弦、蠱惑的な艶めかしい響きを出す高弦、これらの織り成す絶妙のハーモニー。聴いていて何だか、前週サントリーで聴いたフィラデルフィア管の演奏に、唯一欠けていたものを思いがけず耳にした、みたいな気がしたのでした。2曲とも弦楽パート限定でしたので、出来れば管パートも聴きたかったところです。

ワルター編曲ですが、要するに本来の管のソロをヴァイオリン・ソロに置き換えたりとか、そんな感じでしたが、オリジナルのオーケストレーションの、ある種の贅肉が削がれて、ずいぶんスッキリとして精緻なハーモニーに聴こえました。やっぱりショパンのオーケストレーションって良くも悪くもアマチュア的なんだなと、あらためて思いました。

・公演236(B5ホール):
メンデルスゾーン 弦楽四重奏曲第6番
シューマン ピアノ五重奏曲
 ベルトラン・シャマユ [ピアノ]
 ライプツィヒ弦楽四重奏団

LFJ-236

ライプツィヒ四重奏団のメンデルスゾーンは、昨年リリースされたカルテット全集のCDを聴いて、いい演奏だなと思ったもので、この公演も楽しみでした。

そのメンデルスゾーンが、やはり素晴らしい演奏でした。この第6番のカルテットはメンデルスゾーンの残した全作品の中で、最も深みのある作品ではないかと思っていますが、メンデルスゾーンの死の直前の作品である、この作品に浮遊する独特な雰囲気が、聴いていてCD以上に、まざまざと伝わってくる、そんな感じでした。

かなり至近距離から聴くライプツィヒ四重奏団は、CDで聴くよりも遙かに熱のあるアンサンブル展開で、実演であるという以上の生々しいリアリティを感じました。CDで聴くと正攻法の手堅い運びという感じのカルテットなのに、実演だと印象がガラッと変わってくる、、いや、正攻法の手堅いのは、同じなんですが、そんなことよりむしろアンサンブルの発する強い熱気に打たれ、大いなる感銘を与えられました。後半のシューマンも(シャマユのピアノともども) 良かったですが、あのメンデルスゾーンの後だと、どうしたって印象が弱くなるのは否めなくも思えました。

そういえばB5ホールって今年はじめて入りましたが、想像以上に音響が良くてビックリしました。同じBでもB7ホールとはえらい違いで、壁を見ても明らかに音の反響を意識した造りになっていたりなど、この東京LFJのベストホールは、実はB5ホールかも知れないと思いました。

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